コロナによって広がってきたテレワーク・リモートワーク。とはいえ、「家族と場所の取り合い」「会議中に子どもや家族の声がきになる」「机を置く場所が決まってない」「Wi-Fiが途切れる……」など、まだまだ家で仕事するための環境整備に課題は抱えている人も多いよう。
そんな方におすすめしたいのが「カラオケでのリモートワーク」。
全国あちらこちらにあるので、近所でも探せそうですし、なんといっても他の場所に比べてもリモートワーク利用の場合、リーズナブルなんです。
とはいえ、「カラオケの設備利用はどうなってるの？」「仕事できる机なの？」「カラオケと同じ料金なの？」「どんな人が利用してるの？」など心配なことも多いと思います。
そこで、今回はカラオケ店ごとに異なるリモートワークプランを徹底比較。体験もしてきました。
あまり知られていないカラオケを選択肢を加えて、さらに快適なリモートワークライフを過ごしましょう！
カラオケでテレワーク・リモートワークって安心なの？
カラオケで仕事となると、「密室・密閉でコロナが心配だし、音も気になりそうだし、本当に仕事できるの？」と思う方が多いと思います。
確かにカラオケ自体はクラスターの発生などや3密の例として出されています。一方、カラオケの大手チェーンではホームページにコロナ感染予防対策を載せ、コロナ対策には非常に気を使っているようです。 カラオケ館の感染予防対策はこちら。
コロナの感染予防対策が万全であればリスクは許容できる、とお考えの方。実はカラオケ、かなりリモートワークに向いています。
カラオケがリモートワークに向いている理由とは？
まず何より、密室で他人の目線や会話を気にする必要がないので電話やオンライン会議などに最適です。
カフェやコワーキングスペースだとどうしても声を出しづらい状況ってありますよね。ですが、カラオケであれば全く問題なし！
誰にも気を使わず容赦なく大声出せます。ただし、店舗や時間帯によってフロアの音楽や隣室のカラオケの音が聞こえる可能性はあり、その場合は音を拾ってしまうようです。
さらに電源、Wi-Fiに加えてほとんどのカラオケ店がフリードリンク（ドリンク無料）です。
※コートダジュールはドリンクバー未設置店ではワンドリンク付き、パセラは1時間1杯のドリンクが無料。また店舗によって異なる場合がありますので必ずご確認ください。
さらに、料金については後ほど説明しますが、比較的安く使うことができます。
仕事もできて疲れたら気分転換にカラオケもできる……とお思いになるかと思いますが、ほとんどのチェーン店ではカラオケの利用ができません。仕事ついでにカラオケしたいという方は店舗に事前確認してくださいね。
各社の料金をまとめてみた！
全国の主なカラオケチェーン店のうち、テレワークプランを個別に打ち出しているチェーン店の金額を比較してみました。 上述したように電源、Wi-Fi、フリードリンクは各店共通です。
ほとんどが平日のみの利用ですが、「ビッグエコー」は土日も可。各社プランは若干異なりますが、1時間にしても1日にしても安い！これでフリードリンクだから驚きです。
1時間あたりの最安値は関西を中心に展開している「ジャンカラ」、神奈川県を拠点に全国展開している「コートダジュール」でなんと220円！なお「コートダジュール」はテレワークの利用にあたっても会員登録が必要になりますのでご注意ください。
1日あたりの最安値は東京都を中心に関東で店舗を持つ「歌広場」で、最長8時間の利用で驚愕の600円です。ただし3日前までの予約制で当日利用はできません。場合によっては1日前までは予約を受けられる可能性があるそうですが、事前連絡が必要です。
「カラオケ館」、「JOYSOUND」は全国に多店舗展開していてアクセスがよく、1日利用でも1,078円。「JOYSOUND」は大手チェーン店では唯一カラオケができます。
関東圏に展開の「カラオケの鉄人」は他社と色を変えて月額プランと回数プランを打ち出しており、利用頻度によっては1日300円を切る金額に！
「ビッグエコー」はテレワークプランを打ち出している中では最も店舗数が多く全国で利用可能、さらに法人向けプランもあり会議室としての利用も可能です。
「パセラ」はこの中では少し高めの金額設定となっていますが、ラグジュアリーな内装で有名で、プリンターやプロジェクターのほか、卓上ライトやスピーカーなどオフィス関連機器の無料貸出サービスが豊富です。さらにコワーキングスペース2店舗もこの金額で利用可能となっています。
カラオケでテレワークのメリットとデメリット
と、今まで「カラオケでテレワーク」を推してきましたが、改めてメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット
- 価格が安く、フリードリンクがほとんど（ワンドリンクのところもあります）
- 個室で電話やオンライン会議ができる
- 駅前などアクセスが良い立地が多く、営業先や出張先でも利用可
- ドリンクも軽食も内線1本でオーダーできる（ドリンクバーのところもあります）
- お店によっては仕事の合間or仕事後にカラオケができる
デメリット
- プリンターやちょっとした文房具などがなく、オフィス環境として脆弱
- 窓がない部屋が多く閉鎖的
- フロアや他の部屋から音漏れする可能性がある
- Wi-Fiのセキュリティ面のリスクがある場合も
- 密室なので、コロナ対策が気になる
並べてみてもメリットのほうが大きい気がします。
最大のデメリットである音漏れについては運が必要ですが、なるべくリスクを減らすためには繁華街よりオフィス街を選ぶこと。学生や平日休みの方が利用する可能性が低い場所にすることがポイントです。
セキュリティについてもパスワードを必要としないフリーWi-Fiのところがあるので仕事内容によっては注意が必要です。
実際に利用してみた感想
実際にいくつかのチェーン店に行ってテレワークプランを利用してみたので、その感想をお伝えします。
カラオケ館
カラオケ館某店を訪れたのは水曜日の午後。通されたフロアを一通り見回ってみると、お客さんが入っている部屋は私を含めて21部屋中3部屋のみで、他の2部屋ともテレワークでの利用のようでした。
フロアに音楽はかかってはいましたが、扉を閉めると全く聞こえません。明るさは電気をつければ十分、Wi-Fiは全く問題ないスピードでしたがパスワードの設定がないのでセキュリティ上の不安はあるかも。
カラオケは電源が入っておらず利用できません。館内は全面禁煙で、一室のみ喫煙所として稼働しています。
ビッグエコー
繁華街とオフィス街が共存する駅にある某店を訪れたのは水曜日の夕方。フロア内では私を含めて8室中2室稼働中、他の1部屋もテレワーク利用に見えました。
フロアの音楽の音量が大きく、扉を締めて少し聞こえる程度。明るさは少し物足りないかなという印象ですが、Wi-Fiはパスワードがかかっており速度も十分でした。
カラオケは電源が入っておらず利用できません。喫煙所は各フロアに1箇所です。
JOYSOUND
繁華街の中にある某店を訪れたのは木曜日の午前中。フロア内では24部屋中6部屋稼働中、テレワーク、カラオケ、楽器練習と様々な使われ方をしていました。
フロアの音楽の音量もそうですが、やはり近くにカラオケ利用者がいると色々と厳しいです。オンライン会議をしましたが、音を拾ってしまっているようで聞き取りづらいとのこと。繁華街であることもその要因と考えられます。テレワークに向いている街を選ぶことも重要かもしれません。
明るさは十分、Wi-Fiもパスワードがかかっていて速度も問題ありませんでした。喫煙所は全フロアで1箇所です。
JOYSOUNDの特徴はカラオケもできること。980円で20時まで利用可かつカラオケも可能というプランは非常に魅力的ですね。カラオケメインの場合は通常料金、テレワークの場合はテレワーク料金となってはいますが、店舗と訪問時間、加えて利用時間を加味してお得なプランを利用者が選択できる状況にもなっています。
コートダジュール
訪れたのは木曜日の夕方で、フロア内は17部屋中3部屋稼働中、いずれもカラオケ利用ではなさそうでした。
フロアの音楽の音量が大きく、扉を締めても聞こえてきます。ちなみに音漏れが多少であれば自分の好きな音楽を流してしまえば気にならくなります。オンライン会議は微妙なライン……。明るさは問題なし、Wi-Fiもパスワードがかかっていて快適です。
カラオケは電源が入っておらず利用不可、喫煙所は1箇所です。なおドリンクバー未設置店のため、ワンドリンクのみでした。
カラオケで仕事、実は快適かも
何件かを回ってみた感想、カラオケでの仕事は"アリ"です。ただし立地や店舗によるところがあるので、自分なりに重視するポイントを決めて環境の良いお店を探すことをおすすめします。
コワーキングスペースともカフェとも違う特徴があり、利用目的や個人の趣向によって選択肢として持っておく価値はあります。ぴったりとハマったときの快適さは間違いないので、ぜひ一度利用してみてください。
編集部でも噂になっており、間違いなく私は今後も継続的にカラオケを利用するでしょう。個人的にはまず安さ、加えてフリードリンク、さらに周りの目を気にしない個室、という3点が非常に気に入りました。1日カラオケで仕事もいいですし、外出先の前後の時間で利用するのもいいですね。
カラオケでのリモートワークについてより詳しくお伝えするため、今後各社のカラオケ店を紹介する記事を書く予定にしていますので、どうぞご期待ください。
