リモートワーク中、部下の不安は「自分がさぼっていると思われていないか」がトップ。上司の不安は?

新型コロナウイルス感染拡大による影響により、テレワーク・リモートワークを取り入れる企業が増え、会社員の新しい働き方として「テレワーク・リモートワーク」の注目度が高まっています。

そんなテレワーク・リモートワークですが、これまでの「会社に出社して働く」という働き方と大きく変わったことの1つが、社員同士のコミュニケーション。

これまでは会社で顔を合わせていた社員同士のコミュニケーションが、オンライン中心となることで、社員が不安に思うことはないでしょうか。

カオナビHRテクノロジー総研は、10月6日 、「リモートワーカーの不安」に焦点を当て、「リモートワーク」についての実態調査を実施しました。

調査期間は、2020年8月21日(金)~24日(月)の4日間。20代~60代の自由業を除く、 かつ従業員数10名以上の組織に勤めている「勤務時間の半分以上は出社せずにリモートワークで働き、 それ以外は就業場所に出社している」もしくは「基本的に毎日、 リモートワークで働いている」300名を対象に、 Web上のインターネット調査で行われました。

77.3%がリモートワークに不安を感じている

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、 「不安」を感じる人が増えたという調査やニュースはよく目にするのではないかと思われますが、 当然「感染への不安」がその大部分を占めています。 同調査では「リモートワークにまつわる不安」に焦点を当て、 「感染不安」を除いた形で結果をご紹介します。

<MA><n=300>

「リモートワークをしている中で、 不安に感じることを教えてください(複数回答可)」という質問に対して、 新型コロナウイルスへの感染以外に何かしらの不安があると回答した割合は77.3%となりました。
※「特になし」には、 「特になし」を回答した人に加え、 「新型コロナウイルスへの感染不安」のみを回答した人も含む

リモートワークにおける不安のトップは「仕事や成果、 提供価値の質や生産性」が低下すること

<MA><n=300>

リモートワーカーはどのような不安を、 具体的に感じているのか聞いたところ、 回答の上位は「自分の仕事の質や生産性が落ちているのではないか(27.0%)」「部署、 チーム、 組織として、 成果や提供価値の質が落ちているのではないか(23.7%)」となりました。

部下は「自分がさぼっていると周りに思われていないか」と不安に思う

<MA>< 部下:n=157>

部下側の不安のトップ5は、 全体でトップの「自分の仕事の質や生産性」を抑え、 「自分がさぼっていると、 周りに思われているのではないか」(25.5%)が約4人に1人となり、部下側の不安のトップとなりました。

上司は「周りがさぼっているのではないか」と不安に思う

一方、上司側の不安を見てみると、21.0%は「周りがさぼっているのではないか」という不安を感じており、 部下側の「さぼっていると思われる」という不安は、 実際に上司から「さぼっているのでは」という目線を受けているために、 生じているのかもしれません。

<MA><上司:n=143、 部下:n=157>

次に、上司と部下で差が大きい順に上位3つを見てみると、「周りがさぼっているのではないか」「他の社員の業務で問題が起きた時に、 自分が気づけないのではないか」「中長期的に、 自組織の業績が下がるのではないか」でした。 どの項目も、 上司の方が部下よりも不安に感じており、 マネジメント側の責任感を表す結果と言えます。

「リモートワークが生む上司と部下のすれ違い」とは?

カオナビHRテクノロジー総研 研究員・齊藤直子氏による考察によると、 部下側の3位には「自分が重要な情報を知ることができていないのではないか」という項目が登場するため、上司側は必要な情報を部下に伝えているつもりでも、 物理的に離れた場にいると「まだ何かあるのではないか」という猜疑心が生まれるのではないかと分析しています。

「上司と部下の認識にギャップがある」ということは、 マイナスに聞こえてしまうかもしれませんが、 ギャップのある項目や部下側の不安を見てみると、 上司と部下の不安は表裏一体であることがわかります。

上司側が懸念する「自組織の業績」が悪化した結果として、 部下側の懸念する「給与などの待遇」が下がるという関係があり、 両者はともに「業績」に関心が向かっているとも捉えられます。 また部下側の「重要な情報を知ることができていない」という不安は、 「情報の取得・伝達」の課題の存在を暗に示していますが、 その課題こそが上司側の「他の社員の業務で問題が起きた時に気づけない」という不安を生んでいるといえます。

「さぼり」に関しては「周りがどうなのか」と「周りから自分がどう思われているか」に、 上司と部下の立場の違いによって表出の仕方が分かれていますが、 根本的には「さぼることは悪いことだ」という共通の価値観を持っているということです。 「業績をよくしたい」「よい仕事をするための障壁をなくしたい」といった共通の思いを、 上司も部下も持っているのではないでしょうか。

リモートワークでは物理的な距離が開き、 「お互いが見えない」時間が長いため、 本来ならば不要な不安を生んでいる側面はありそうです、と齊藤氏は分析しています。

リモートワークのくふう編集部

リモートワークのくふう編集部は、新しい働き方を応援しています。

この記事に関するキーワード