テレワークによって「個人の生産性」は向上も、チームでは約3割が低下という結果に

新型コロナウイルス感染拡大にともない、テレワーク・リモートワークが各所で導入されるようになりました。新たな働き方が社会にどのような影響をもたらしたのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが運営するアンケートサービス「NTTコム リサーチ」では、「テレワークと会社に対する満足度」に関する調査を行いました。

調査期間は令和2年9月14日(月)~9月23日(水)であり、調査方法は非公開型インターネットアンケートです。

回答者は、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、大阪府、愛知県、福岡県に在住している20歳~59歳の男女(従業員数51人以上の企業に勤めている)であり、有効回答者数は3,485名でした。

在宅勤務の割合は徐々に減少傾向

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言が発令された時点(令和2年4月)で在宅勤務をしていた割合は41.3%でした。その後の調査実施時点(令和2年9月)で在宅勤務を継続している割合は27.1%でした。在宅勤務の割合が徐々に減ってきていることがわかります。

しかし、在宅勤務を継続している割合が高い業種もあり、「情報サービス」が50.4%、「通信」が49.7%という結果でした。いずれもインターネット環境をベースに業務を遂行する業界であることから、在宅勤務と相性がよかったのだと考えられます。

一方、「医療・介護」は9.2%、運輸・倉庫は11.7%であり、在宅勤務を継続している割合が低いことがわかります。現場作業が基本となる点が主な理由でしょう。

在宅勤務によってワークライフバランスが向上

在宅勤務をしている人のうち34.6%が、「以前に比べてワークライフバランスが向上した」ことを実感しています。一方、在宅勤務をしていない人をみると、ワークライフバランスが向上したと回答した割合は9.9%にとどまっています。

在宅勤務はワークライフバランスを向上させる手段として有効であることをうかがわせる結果となりました。

在宅勤務によって個人の生産性も向上

「自分自身の業務における生産性は向上したか」という質問に対して、「業務の生産性が向上した」と回答した割合は、在宅勤務をしている人では24.0%、在宅勤務をしていない人では8.9%であり、在宅勤務のほうが生産性は高いとわかりました。

在宅勤務で個人の業務生産性が向上した要因としては、「業務だけに集中できる」(59.2%)、「無駄な会議が減った」(46.1%)などが上位を占めていました。周囲に上司や同僚がいないと雑事が減り、自分の業務に集中できるようになるのでしょう。

在宅勤務はチームの生産性を下げるリスクも

「チームやプロジェクトにおける生産性は向上したか」という質問に対して、在宅勤務をしている人のうち「チームの生産性が向上した」と回答した割合は15.8%であり、「チームの生産性が低下した」と回答した割合は29.2%でした。

在宅勤務は、個人に関するワークライフバランスや生産性の向上には一定の効果があるようですが、チームにとっては生産性の低下を招くリスクもありそうです。

非対面のコミュニケーションが非効率

生産性が低下した理由としては、「話せばすぐ終わることを文章にすると時間がかかる」(51.1%)、「すぐに聞きたいことも返事を待つ時間のロスが発生」(43.1%)などが見受けられました。

在宅勤務が業務の集中につながっている一方で、メールやチャットなどによる情報共有が、報告や連絡においては非効率であるとわかりました。ビデオチャットやweb会議システムなどで、対面によるコミュニケーションを取る工夫も必要といえるでしょう。

コロナ禍でストレスを感じる若手が多い傾向

「最近、心身のストレスなどを感じることがあるか」という質問に対して、在宅勤務をしている人のうち12.4%が「強く感じる」と回答し、「まあ感じる」と回答した人は36.4%という結果になりました。

特に、20代の若手社員では、「モチベーションが低下してやる気が出ない」、「不眠に悩んでいる」など、精神的な不調を感じる人が2割程いることも判明しました。経営者は若手社員の声に耳を傾けるなどして、適切なサポートをしなければならないといえるでしょう。

コロナ禍をきっかけに転職や独立の検討をはじめる社員も

現在、転職や独立、起業の準備などを検討している割合は、在宅勤務をしている人のうち25%でした。20代では40%を超えていることから、若手社員ほど会社を辞めてしまう傾向は高いといえるでしょう。

転職を検討している理由は、「会社の将来性に不安を感じた」、「制度・評価の不満」、「新型コロナに対する会社の対応に不信感を持った」などが上位を占めています。新型コロナウイルスの流行は、社員に自分のキャリアや生き方などを見つめなおす機会をもたらしているようです。

まとめ

テレワークやリモートワークは、個人の働く環境を作業面や生活面において改善させる効果が期待できるとわかりました。一方、チームの生産性を下げたり、報告や連絡の効率を下げたりするリスクがある点も見過ごせないポイントでした。

テレワークやリモートワークを適切に運用していくには、メリットだけに目を奪われないように注意し、デメリットに対して改善策を用意することが大切だといえるでしょう。

リモートワークのくふう編集部

リモートワークのくふう編集部は、新しい働き方を応援しています。

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